築40年以上のマンションでも大丈夫?

2022年12月23日

築40年以上のマンションでも大丈夫?

「マンションを探しているけど、理想の条件に合う物件がなかなか見つからない…」と思っていませんか?
築古マンションには、築浅物件にはないメリットがあります。
築40年以上の物件にも選択肢を広げてみませんか? 築古マンションを選ぶ上での注意点や新・旧耐震基準の判断方法をお伝えします。 リノベーション事例と合わせてご確認ください。

耐震性に違いはある?
築40年のマンションの耐震性と旧耐震とは


物件を探していると「新耐震基準」「旧耐震基準」という言葉をよく見かけます。どのようなちがいがあるのでしょうか。

新耐震基準と旧耐震基準とは

マンションをはじめとした建物を建てる際には、定められた耐震基準を守らなくてはなりません。住む方の生命や財産を守るため、構造基準として定められてきましたが、震災で大きな被害が出る度に見直されてきました。なかでも大きな改正が 1981(昭和56)年6月1日に施行されたもので、1981年5月31日までに確認申請を受けた建物の耐震基準を「旧耐震基準」と呼び、それ以降を「新耐震基準」と呼びます。

旧耐震基準
中規模地震(震度5強程度)で建物がほとんど損傷しない設計

新耐震基準
大規模地震(震度6強~7)で建物が倒壊しない設計

耐震診断が実施されているかを確認しよう

新耐震基準か旧耐震基準かどうかはあくまでも目安です。築40年以上のマンションの購入を考えている方におすすめなのが「耐震診断」を実施している物件です。耐震診断とは、現在の耐震基準を満たしているかどうかを調べる検査です。旧耐震基準で建築されているかといって耐震性能不足とは限りません。耐震診断を実施し、強度を満たしていると診断されている建物もありますし、耐震補強工事の実施により新耐震基準をクリアしている場合もあります。また、新耐震基準の建物であっても、老朽化が進んでいれば強度が低下している可能性があります。2022年の時点で、新耐震基準の最も古いマンションは築 41 年経過していることになります。

耐震診断を受けていない場合は、第三者機関の公平な視点で住まいの耐震性能や劣化状況、修繕が必要な箇所などを診断する、購入前の「ホームインスペクション(住宅診断)」の利用もおすすめです。

築40年以上のマンションはあと何年住める?

高齢化社会といわれる中、住まいの寿命も気になりますよね。築40年以上のマンションを購入した場合、あと何年住めるのでしょう。明確な答えはありませんが、2つの視点で予想ができます。「建物の寿命」と「管理体制の寿命」から見てみましょう。


鉄筋コンクリートの寿命について

勘違いされやすいのが法定耐用年数です。鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年ですが、これはあくまでも会計上のルール。マンションの減価償却が47年で0円になるまでの年数。つまり、47年経ったからといって住めなくなるというわけではありません。鉄筋コンクリートの物理的な寿命は、国土交通省の調査によると鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は120年であり、定期的に修繕をしていれば150年以上になるとの試算です。

管理体制の寿命について

物理的に住めることだけでなく、住みやすい環境が維持されているかも大切な問題です。郊外で昭和30~40年代に量産された大規模団地で多くみられるのが、住民の高齢化とともに空室が増えて活気がなくなっている物件です。もちろん築年数が古くても管理会社や管理組合などの管理体制がしっかりしていて活気のあるマンションもあります。
長く住むことのできる中古マンションかを見極めるために大切なことは、定期的なメンテナンスが行き届いていて管理体制がしっかりしているマンションかどうかです。
将来的なマンションの劣化がすすむ原因として適切な周期(12年に1度)で大規模修繕工事が行われていないことがあります。しっかり管理されていれば30~40年と住み続けられる可能性もあるでしょう。

築40年以上の物件を選ぶメリット


ゆとりのある敷地や建物に住める

土地が多く残されていた時代に建築されたマンションは、今よりも地価が高くなかったため建ぺい率・容積率に余裕のある設計で建築されています。敷地に占める緑地の割合が高く、落ち着いた住環境となっていることが多いです。
また、近年は新築マンションの価格高騰が続いており、価格を抑えるために平均専有面積が小さくなる傾向があります。築古のマンションほど、面積広めの物件が多いことが特徴です。築40年以上の物件まで選択肢を広げれば、予算内でゆとりの物件を見つけやすくなるでしょう。

好立地の物件が多い

駅近物件は人気ですが、なかなか売り出し中の物件は見つからないですよね。駅に近い好立地の物件は人気があるので、利便性の高い土地ほど早くにマンションや商業施設が建築されてきました。街の開発は、主要な駅を中心に行われているためです。好立地の物件を探すなら、範囲を広げて築40年以上のマンションを探してみるのがおすすめです。

価格が落ち着いている

住宅の資産価値は、築年数の経過とともに下がるもの。近年築古の中古マンションが市場に占める割合が増えた結果、価格競争が起こり 25年以降で下げ止まるという価格推移をしています。築25年を超えると価格はほぼ横ばいになるため、底値のときに買っておけばそれ以上価格が下落しにくい。新築と比べて半分以上安く買えて、資産価値が下がりにくい築30年付近の中古マンションはお買い得と言えます。

資産価値を見極めやすい

マンションの資産価値は建物の経年変化や周辺環境によって複合的に決まるため、築年数だけで単純に測れるものではありません。一般的な相場を大きく外れて急激に価値が下がってしまう物件もあれば、築年数が古くなってもそれほど価値が下がらない物件もあります。新築マンションや築年数の浅い物件では、将来的に資産価値がどのように推移するのかは未知数ですが、築40年以上のマンションは既に結果が出ているため、安心して購入しやすいといえます。また、築年数が古い物件は、そこに長く住んでいる人が多く、住人のマナーレベルやコミュニティの雰囲気も確認できます。

【対策1】
頭金を多めに用意する
築 40 年のマンションの場合は、融資金額が低くなることを想定する必要があります。一般的に住宅を購入するときの頭金は物件 価格 10~20% ほどが目安とされています。相場よりも頭金を多めに用意しておくのがおすすめです。

【対策1】
資産価値の高いマンションを選ぶ
築 40 年を超えても人気が高いマンションがあります。一般的には築年数が古くなるほどマンションの資産価値は下がりますが、利便性が高く周辺環境の良いマンションは築年数を問わず人気があるので担保評価額も問題ありません。

築40年以上のマンションを選ぶポイント

立地や耐震性も大切ですが、築 40 年以上のマンションを選ぶポイントは修繕状況や空室率などもしっかりと確認する必要があります。


Point①メンテナンス状況
マンションはメンテナンスが行き届いていれば長く保つと言われていますが、メンテナンス状況によって寿命は大きく差が出ます。過去に行われた実施状況は修繕履歴としてすべて記録されているですので、内容を確認しましょう。国交省の長期修繕計画 ガイドラインには 12 年に 1 度実施すべきとされています。具体的な修繕項目としては、外壁の塗り替えやタイルの補修、鉄部塗装、給排水管のコーティングや交換、エレベーターの補修、共用部の照明器具の交換、屋上防水などです。適切なタイミングで行われているか確認してみてください。

Point②大規模修繕のスケジュール
過去のだけでなく、将来の修繕計画についても長期修繕計画書によっていsチェックできます。定期的なメンテナンス状況はもちろん、大規模修繕の実施内容と予定を確認しましょう。また財政状況として修繕積立金の状況もあわせて確認しておきたいポイントです。新築時は安く設定されることが多いですが、マンションによっては十分な修繕金が貯まっていないこともあります。
大規模修繕の費用は、住民が毎月一定の金額を納める「修繕積立金」によってまかなわれます。滞納している住民がいないか、徴収状況や徴収額などの算出内容も確認しておくことが大切です。

Point③共有部分の状態
中古マンションの購入前には、エントランスや駐輪場、ゴミ置き場などの共有部分の状態もしっかりチェックしましょう。たとえばゴミが落ちていたり、電球が切れたままになっていたり、自転車が整理整頓されていなかったりする場合、管理レベルが高いとはいえません。掲示板もチェックすると、古いお知らせが掲示されていたり、破れたままになっていたりと、まめに管理されていないのがわかることがあります。集合ポスト、オートロック、エレベーターなどの設備が古いと、セキュリティの不安や暮らしの不便を感じることが少なくありません。玄関ドアやドアクローザーも共有部分に含まれるケースがあり、古いまま交換できないことも。お部屋の中だけでなくマンション全体をくまなくチェックして、古さや不便さがないか確認しましょう。

Point④空室率の高さ
空室率とは、マンションの総戸数に対して、入居者のいない空室が何%あるかを示す数字です。たとえば50戸のマンションで、空室が10 戸あれば、空室率は20%ということになります。空室率の高いマンションは管理やメンテナンスが行き届かなくなるので、全体の空き部屋を調べるのも大切なことです。分譲マンションの空室率を不動産会社が把握しているケースは少ないので、少し手間はかかりますがご自身の目で確かめましょう。全戸調べるのは大変ですから、マンション全体を歩いてみて大まかな空室状態をチェックするのがおすすめです。車移動がメインの郊外エリアなら、駐車場の空きをチェックしてみるのもいいかもしれません。

Point⑤リノベーションに適した構造
鉄筋コンクリート造のマンションは、大きく「ラーメン構造」と「壁式構造」に分けられます。最近主流の「ラーメン構造」は、柱と梁の枠組みで建物を支えるため、壁を壊して間取り変更できる可能性が高いです。一方、築年数が古いマンションに多い「壁式構造」は、建物全体を面で支えるための構造壁を移動・撤去できません。リノベーションで希望の間取りが叶えられるか、しっかりとチェックしましょう。壁式構造は5階以下の低層マンションがほとんどなので、6階以上のマンションであればラーメン構造の可能性が高いです。また間取り図を見ると、ラーメン構造の場合は、部屋の隅に柱の出っ張りが書かれていることもあります。

耐震補強のみを行う場合は?

築 40 年以上の物件は、耐震補強が必要となる場合があります。具体的にどのような工事が行われるのか、部位別に見ていきましょう。

接合部

接合部とは柱と梁、柱と土台などがつながっている部分のこと。接合部がしっかりと固定されていないと、大きな地震で接合部が外れて住宅が崩壊するなど、大きな被害につながることがあります。建築基準法で明確に規定されたのは、2000年6月です。それ以前の住宅では、接合部が釘止め程度と弱くなっていることも多いです。接合金物にはさまざまな種類があり、柱が土台から抜けないように緊結するホールダウン金物や、梁がずれて脱落するのを防ぐ羽子板ボルトなど、箇所に応じて使い分けられています。

基礎

基礎とは建物と地面をつなぐ部分で、しっかりとした強度が必要です。築40年以上の古い住宅では鉄筋なしの「無筋基礎」も見られるため、無筋基礎への基礎補強には大きく3つの方法で強度を高めます。1つ目は「抱き合わせ基礎(ツイン基礎)補強」、2つ目は「ベタ基礎補強」、3つ目は「アラミド繊維による基礎補強」です。また基礎のコンクリートにひび割れが生じている場合は、エポキシ樹脂等での補修も必要です。

耐力壁が少なかったり開口部が多かったりすると、地震による崩壊の危険性が高まります。新たに耐力壁を増設したり、耐震パネルや筋交いなどで既存の壁を補強したりすることで、耐震性を向上することが可能です。床や天井を壊さないと施工できないパーツもありますが、床や天井を壊さずに室内側から壁を補強するボードを施工したり、外壁の上からステンレスのブレースを緊結したりできるケースもあります。耐力壁のバランスが悪いとねじれが生じやすくなるため、計算をもとにバランスよく配置するのがポイントです。家の見取り図も参考にし、効率的な補強をするようにしましょう。

土台

基礎と建物をつないでいるのが土台で、頑丈な建物にするために重要な部分です。土台は、コンクリートの基礎部分に水平に固定される角材のことを指します。古い木造住宅では土台が腐食していたり、シロアリ被害にあっていたりすることも多くあります。特にキッチンや浴室など水回りの下は、漏水による土台の腐敗が起こりやすい部分です。土台に何らかの不具合を生じているときは、新しい土台に交換したり、部分的に接ぎ木等で修繕したりと対策を行います。

屋根

屋根の耐震工事では、屋根の軽量化が主に行われます。瓦など重量のある屋根材が使われている場合は、軽量な屋根材に交換することで耐震性を高められることもあります。屋根が重いと建物の重心が高くなり、地震のときの不安定さや揺れが大きくなってしまうからです。軽量な屋根材としてよく使われるのが金属屋根で、瓦屋根の約10分の1程度と非常に軽くなっています。 屋根を軽量化することで柱や基礎にかかる負荷を抑えることができるだけでなく、金属瓦やその他の軽量で割れにくい屋根材を 導入することで、落下時の飛散を抑え、敷地外への脱出や、落下時の被害を抑えることもできます。

劣化部分

これまで挙げたポイント以外にも、柱や梁が腐食していたり、外壁に大きなクラックが入っていたりと、築40年以上の建物ではさまざまな劣化が見られます。そのまま放置すると劣化は進行し、そこから大きく建物が破損することも。耐震補強は劣化部分を優先して行い、劣化した部分はしっかりと取り替えて、補強工事を行わなければ意味がないのです。リノベーションの際には、必ず屋根から床下までしっかりとチェックして、劣化部分の補修も行いましょう。

築40年以上のマンションのリノベーション事例

リビングのリノベーションのコツ

築 40 年以上のマンションでは、リビング・ダイニング・キッチンがそれぞれ細かく仕切られた間取りが多いもの。それぞれの間仕切り壁を撤去して、ひと続きの広い LDK にすることで、現代風の住まいをつくることができます。リビングは家族が集まって よく使う場所なので、リノベーションでも優先的にお金をかけたい部分。トレンド感のある間取りやデザインを採り入れて、素敵なリビングプランを考えましょう。

収納面のリノベーションのコツ

昭和に建てられたマンションは、一部屋に一つのクローゼットや押し入れがある程度で収納不足になるケースが多いです。部屋をすっきりと広く使うためにも、リノベーションでは収納を増やすのがおすすめです。リビングの壁一面に壁面収納を造作してテレビや日用品をすっきりとおさめたり、家族みんなの衣類を収納する大容量のファミリークローゼットをつくったりと、さまざまな方法があります。ご家族のライフスタイルに合わせて計画するのがポイントです。

洗面所のリノベーションのコツ

昔のマンション洗面所は圧迫感や暗さを感じることが多いので、おしゃれ&使いやすく仕上げて後悔を防ぎましょう。デザイン性の高いメーカー洗面台や造作洗面台に交換したり、アクセントクロスやタイルでおしゃれな内装をつくったりすると、魅力的な空間に。壁面収納を設けて収納力不足を解消したり、コンセントを増やしたりすると使い勝手がよくなるでしょう。

トイレのリノベーションのコツ

コンパクトなスペースのトイレですが、意外とリノベーションの満足度に影響するポイントです。40年前の広さやレイアウトそのままリノベーションするのではなく、おしゃれ&便利な工夫を盛り込んでみましょう。広さを変えるのが難しくても、アクセントクロスを選ぶだけでグッとおしゃれなトイレになります。

キッチンのリノベーションのコツ

築 40 年のマンションで多いのは、個室になっている独立型キッチンや、壁を向いて作業をする壁付け型キッチン。リビングダイニング側を向いて作業をする対面型キッチンにレイアウト変更すると、使い勝手がよくなるかもしれません。アイランドキッチンやペニンシュラキッチンのように、リビングダイニング空間と一体になったオープンキッチンも、トレンド感があっておすすめです。少し移動するだけでトレンド感のある使いやすいキッチンになるので、配置にもこだわってみてください。

まとめ

築 40 年以上の物件は、敷地に対してゆとりある設計で、一戸あたりの床面積も広い傾向があります。また、便性の高い好立地に建てられている事が多いです。築40年以上になると旧耐震基準となりますが、耐震診断などから安全面を判断しましょう。定期メンテナンスや大規模修繕計画、管理状況の確認も大切です。上手に選んでリノベーションすればリーズナブルにおしゃれなマイホームに仕上げられます。

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